2008年5月5日月曜日

後隠しの雪

ある雪の晩、貧しい百姓の家に旅人がやってきた。今晩とめてくれと言う。百姓はとにもかくにも貧乏でまかなうものは何もなかったが、百姓「いいとも。でも家には振舞うものが何もないけどね。」旅人「おらは何もいらねえよ。」百姓はご馳走するものが何もないので、隣家から大根を一本盗んできた。それを焼き大根にして旅人に食わせると、とても寒い日だったので、うまい、うまいと全部平らげてしまった。百姓が大根を盗んで帰るとき、積もった雪の上に足跡ができていたが、その足跡がきれいに消えてしまった。今でもその地方ではこの物語を記念にして、11月23日に大根料理を食べる習慣がある。

0 件のコメント: